2020年05月27日

20200527 猫との信頼関係

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 子猫いりませんか ?? まだまだ子供だと思っていたのに、五匹も産んで母親になって立派に育てています。本当に立派な母親です。子供たちが寝入るのを見届けてから、私に餌をねだったり、縄張りのパトロールをしたり、時にはふらふらに疲れ果てて寝そべっています。子供たちは、まだ生後一ヶ月ほどです。なんとか歩きはじめたところで、いろんなものに興味が行き、お母さんは大変です。五匹合わせると自分の体重より大きなものが、昼夜を分かたずむしゃぶりついてくるので、お乳は腫れ上がっています。食べても食べても吸い取られるので、お母さんは痩せています。これが全く援助のない野良猫だったら、毎日狩りをしながら子育てするのでしょう。見ていて本当に頭が下がります。男なんて、母の前では全く情けない存在です。子供たちは、あと一ヶ月もすれば親から離れて、自分の縄張りを求めて散って行きます。しかしおそらく一匹生き残るか、全滅するかでしょう。この辺りの猫が増えないのでわかります。だから、もし良ければ、引き取って育ててもらえればと思います。私のオーガニックな穀物と、新鮮な魚のアラで育った親猫の子供です。

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 母親は黒猫、父親は「じゃりんこチエ」に出てくる「小鉄」のような猫です。出て来た子供は、黒猫が2匹、「のらくろ」のような白黒の猫が2匹、同じ柄でちょっと黒の薄いのが1匹です。性別は確認してません。子猫が親離れするのは、生後約二ヶ月ほどです。たぶん4/22くらいに生まれてますから、あと一ヶ月ほどです。子供たちはすでに目が見えるし歯も生えて来ていますので、乳離はそろそろだと思います。それから彼女が子供たちに一人前の猫になるための教育と訓練を行うはずです。5月末くらいにはお渡しできると思います。

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 猫は出産した後、子供たちの成長に合わせて、また排泄物から離れる目的で、数回居場所を変えます。二週間ほど前から私のところに立ち寄る頻度が増えたので、もしやと思って納屋を探してみたところ、どうやら引っ越して来たようです。ここは農村です。おそらく前のねぐらの持ち主の家の田植えが始まって、そこが慌ただしくなったのでしょう。しかし、ここも来週には田植えが始まります。見つかったら最後、まとめて処分されてしまいますので、随分迷いましたが強制連行しました。猫のねぐらは人間にはほとんどわかりません。親が子供に警戒感を教え込んで、不審な物音がすると鳴りを潜めてしまうからです。しかし、親の声がすると安心して出て来ます。

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 私は彼女との信頼関係がどの程度確かなものかわかりませんでしたが、先日食事を終えた彼女を促して、納屋の前まで行ってみました。食後すぐに戻ることを知っていたからです。彼女はしばらく躊躇していましたが、意を決したように納屋の隅に入ってゆき、独特の声で鳴きました。すると、物陰から続々と子供たちが出て来ました。普通、母親になった雌猫は、たとえ飼い主であっても子供には近づかせないものですが、彼女は特に私に対して威圧的な態度には出なかったので、子供たちも普通に母親に寄り添っていきました。しばらく様子を見て、持参のカゴに子供たちを入れ、用意しておいた中庭のねぐらに運びました。彼女も、特に興奮することもなく、私について来ました。とりあえず成功です。

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 しかし、ここに居ついてくれるかどうかは状況次第です。納屋の中の方が、動物本能的には安全なはずですが、人間の都合で状況が一変します。とくに子供たちが成長すると、いつまでも同じ物陰にじっとしていられるはずがなく、見つかるのは時間の問題です。しかしここも、中庭とはいえ屋外ですから、地上の天敵、空からの天敵、雄猫の襲撃を完全には防ぎきれないので、やはり時間の問題です。子供たちが独立するまで精一杯の援助をしようと思っていますが、それまでもつか、それから生き延びられるか、過酷な状況が待っています。よろしければどうぞ、ご連絡ください。

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2020年05月17日

20200517 盗撮 (^^+

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2020年05月08日

20200508 しゃのあ

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ときどきメシだけ食いに来る。食い終わると足早に去る。彼女は今、私と遊んでいる暇などない。子育てをしなければならないのだ。母の自覚と、再び女に戻った喜びを、その視線に感じる。
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2020年05月02日

20200502 GW幕開け

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とうとう、通り一本先までおいでなすったか・・・私の勤めるスーパーでは緊急事態宣言が発令されて以降、閉店時刻を一時間早め、一切の特売を中止しているが、隣の店が閉鎖されてからは客数がぐっと減った。同時に、別にここで働かなくても生活に支障のない人は辞めてしまい、動ける人員が激減した。クレイジーな客は増える一方で、ないものをくどくどと言い募るのはまだマシで、万引きも増え、強請りタカりの輩も出た。一人に捕まると一時間や二時間は拘束されるので作業は回らない。私はバイトだから良いが、責任ある社員はほぼ無休で通し勤務しても追いつかない。崩壊寸前だったものを、隣の店が閉鎖されたために敬遠されて客数が激減したのでちょっと楽になった。閉店時間を早めたのは店内の消毒を徹底するためで、本来ならば従業員は全員契約時刻までその作業に当たるはずだった。しかしこれは会社の判断で決定したことなので、感染の不安があって早退する人にも契約通りの賃金が支払われる。そうなると、同じ給料がもらえるのなら何も好き好んで居残る必要はなく、一時間早く店を閉めたらほとんどの人はさっさと帰ってしまうのだ。当初の目的とは全く異なる事態になっている。結局、感染防止のために力を尽くそうとする人はほとんどおらず、私とごく少数の社員だけで買い物かごを全て消毒し、カートや各扉、手すりなど、およそ不特定多数の人が触れるであろう場所をしらみつぶしに毎日拭く。私は売り場の商品も片っ端から拭いていたのだが、それだけでも白眼視されていたものを、給料も変わらんのに居残ってあちこち拭いてると変人扱いされている。まあ子供の頃からそういう扱いには慣れているので気にはしてないが、要するに専門家が侃侃諤諤やろうが、マスコミがそれをネタに煽り立てようが、政府がのらくら論点をずらしまくろうが、総体としての日本人の行動はだいたいこのようなものだ。ここ数週間ほど、スパゲティや小麦粉、バターや調理用油などの入荷はない。必要性の高い品目には欠品が多く、そうでないものの供給は確保されている。その結果、必要最低限の食材を揃えるためには複数の店を回る必要があるだろう。結局のところ、自給体制を確立できた私は幸運であった。向こう二年くらいなら手持ちの穀物と田畑だけでひもじい思いはしなくて済む。これを機に、全国民がまずは自給した上で、余力があるのなら経済を回しても良い、くらいのスタンスで国を作り直したらどうかな。まあ、今あるインフラはとても維持してゆけなくなるだろうから、それらをいかに無害化処分するかも含めて・・・

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2020年04月30日

20200420 しゃのあ出産

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昨年10月にうちの前を通りかかった時はこんなにちっぽけだった黒猫の「しゃのあ」・・・初めは噛んだり引っ掻いたりという愛情表現に手加減がなかったのだが、やがて私の指を噛む時も、飛びかかってくる時も手加減できるようになって懐き、かわいいかわいいと思っているうちに、

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「そんなブサイクなおっさんやめとき」というようなオス猫を連れてきて、そいつが私を見ても逃げないばかりか、じっと脚を揃えて私を見つめているので、年頃の娘を持った父親の気分だなと思っていたら、みるみるうちにお腹が大きくなって食べる量も激増し、要求もエスカレートしてこれはこれはと思っていたら、先日ちょっと昼寝のためにベッドに横になったら、天井裏から「ミョオオオン」と低い声で私を呼ぶのだ。「どうした ??」と声をかけたら何度も低い不安げな声で返事をする。

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いよいよかと思ってここで安心して産んでもらえるように居場所を整えてやり、降りてくるように促したのだが、不安げに啼きながらそわそわして、その場所へは興味がないらしく、少し遠ざかっては私の方を振り返り、また不安げに啼く。「ついてきて」という風だったのでついていくと、私をあちこちの隠れ家に案内するように巡る。その度に低い声で鳴いて私を見る。「うちでええやんか」と声をかけるも、また私を導いて道を渡る。彼女の縄張りなのかもしれないが、その先は他人の家なので私が躊躇していると、何度も何度も私を振り返りながら、やがてその家の使われていない物置の陰に消えていった。もうかなり辛そうだったので、おそらく破水も近かったのではないか、

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その日から三日間、彼女は姿を見せなかった。先ほど畑へ出てみると、なんとその畔に彼女はいた。久しぶりなので声をかけると走り寄ってきて、いつもの高い声で啼く。お腹を見ると、もう普通の大きさだ。乳首が大きく膨らんでいる。どこに子供がいるのかわからなかったが、おそらく栄養補給に出たものであろう。こんなこともあるかと思って、実は今日外出した帰りに鯛の切り身をお祝いに買っておいたのだ。「ごちそうがあるからおいで」と促すと機嫌よくついてきた。いつもならその場でバリバリ音を立てて食べるものを、彼女はすっと咥えて出ていった。その足取りは確かだった。行くところがあるのだ。無事な姿を見られただけで十分、あとは追わずに仕事に戻る。

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2020年04月20日

20200420 不要不急の外出x4

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 先日、不要不急の外出・・・でも4つまとめて片付けたら許してもらえるやろか・・・その1: 神戸ムスリムモスク前のハラル食材店にて冷凍羊肉購入。その2: 神戸南京町にて豆板醤の仕込み材料購入・・・南京町全体がほぼ閉店する中、地元の中国人御用達の食料品店も閉店・・・なのだが、そこはそれ文字通り勝手知ったるなんとやらで直接電話して裏口で手渡し・・・前回このような手を使ったのは1993年の記録的な不作による米騒動の時で、それまで米は「一粒たりとも輸入しない」という方針で日本でインディカ米は全く食べられなかったのだが、この時それはもろくも崩れてまずタイ米が輸入された。しかし大多数の日本人は不評で、当初タイ米と日本米の抱き合わせ販売、のちに出荷時にブレンドして販売されたのだが、なにごとも混ぜて良いものと悪いものがあって、廃棄されたタイ米があちこちのドブ川で悪臭を放つ光景が見られたものである。私はタイ米が欲しかったのだが、ほとんど日本米と混ぜられてしまっていたので単独では手に入らず、兼ねてから懇意であったこの食料品店に相談したところ、表立っては売れないから・・・と言って裏口で取引したのだ。そんなことを懐かしく思い出す。そこで必要な材料を揃えて西宮へ走り、その3: 愛車カリーナちゃんを車検に出す。これまで長年この古い車を見てくださっていた工場も来月で廃業される。したがって、引き続きこれを見てくれる工場が見つからなければカリーナちゃんもあと一年の命。それにしても、もと日産レーシング・チームのエンジニアであった一流の技術者に、こんなポンコツのオイル交換していただくのも心苦しい限りであった。代車に乗り換えて、その4: 不要不急のヘア・カットへ15時滑り込みセーフ・・・ずっと引きこもっていたので、なかなか爽快に走り回った一日であったことよ・・・

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2020年04月12日

20200412 うちで踊ろうSalsa Version

やると思った !! さすが早い !! もしできたなら、このあとダンス・パート引っ付けて踊り狂って欲しかった。さて以前からweb上で合奏ができないものかと考えていて、先日アップしたNetduettoを使ったショーロ合奏の試みは、結論から言って失敗に終わった。もちろんわかったことがいっぱいあるので無駄ではなかったし、技術の進歩とともにやがて実現される時が来ると思う。巷に流通している、この手の仮想的な合奏の映像は、実はリアル・タイムで互いの演奏を聴きながら同時に演奏されたものではない。ZOOMのようなweb会議システムを使って、同時にミーティングを開くことは可能だが、インターネット接続の環境、すなわち回線速度の影響で、ある人が発した音が別の人に届くのにコンマ数秒の時間がかかり、それを聞いた人が音を発して別の人に届くまでに同じくらいの時間がかかる。言葉のやり取りでは何の問題も起こらないが、合奏となると全く致命的だ。それを改善しようとYAMAHAが取り組んで試行的に流布したアプリケーションがNetduettoで、これはスピードを稼ぐためにあえて映像をサポートしていない。同時に合奏できる人数を標準で5人までに限定しているが、我々の実験では日本国内でも往復0.1秒のタイム・ラグが出た。これは♩=60で1.5/16くらいずれることを意味していて、実際にやってみると、常に誰か、あるいは複数が付点16分音符1個分、16ビートで一拍半つっこんでるかもたついてる感じだ。先日のセッションでは、何とブラジルからJoāo Lyra大先生もご参加されて恐れ多くもご相伴に預かることになったのだが、ブラジルからだと回線速度の他に接続状況も不安定で音も途切れ、完全にお手上げ状態だった。国内でもタイム・ラグは不安定で、必ず一定の時間遅れるのなら、曲のテンポをその0.1秒なにがしかの倍数に設定すれば、理論的には各自そのずれを見越して早く、あるいは遅く演奏することで合奏は可能なるはずだが、ずれる時間そのものも不安定なので、その場でのコミュニケーションは全く絶望的。ではこのDe la Luzを含め、世に流布する合奏映像がどのように制作されているかというと、ほとんどの場合、一つの音源をもとに厳密にその通りのテンポと尺数で別個に、あるいはオーバー・ダビングして録画録音されたものを、集めてきて編集してある。これをやるには全員楽譜による演奏に精通していて、精密に調整された時間軸のもとに、楽譜の進行と全く同じ演奏ができなければならない。「せーの」でしか演奏を始められない我々には到底無理、いかなYAMAHAの技術力をもってしても、現時点でweb上の合奏は無理と結論づけるに至りました。

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2020年04月06日

20200406 引きこもってるから体重増えた

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お嫁に行かれへんようになる・・・
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2020年04月05日

20200405 まいにち中国語

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 NHKラジオで地味に中国語を勉強している。実にこの数ヶ月ほど、中国の人たちを身近に感じたことはない。中国や韓国や北朝鮮は日本の隣国なのに、私はその言葉を全く知らず、地球の反対側の言葉をいくつか知っているのをなんとかしたいと前々から思っていた。4月になったのを良い機会と思って、書店でNHKの中国語テキストを探してみたが、どこも品切れ。訊くと、なぜか中国語のテキストだけがよく売れて品切れが続いているとのこと。やはり同じ思いの人が多いようだ。ネットで注文したテキストが先日届いた。NHKラジオの聞き逃しサービスと日曜日の再放送で後追いし、来週には生放送に追いつけそうだ。中国語・・・2017年に旅をしたが、そもそもローマ字表記と中国語の発音は全く異なるのだ。それを知らずにローマ字読みしていたので、私の片言は片言ですらなかった。英語のできる中国人がいなければ手取り足取りだったが、それでも彼らは優しかった。寛容、というか、大陸的におおらかだった。何もかもが、桁違いにでかくて多い。その彼らの使う言語だ。漢字を中国から借りてきて、それだけでは使えないからひらがなやカタカナを織り交ぜて、それでも足りない音には濁点や半濁点・・・混沌を極める日本語とは全く違う。もっと凄まじい秩序と混沌だ。濁音がない代わりに、なんとすさまじい種類の子音と変調・・・もちろん四声も・・・こんな言語、独学など無謀だ。私は他言語を学ぶとき、どうしても文法から入らなければ気が済まないのだが、中国語に関してはお手上げだ。諦めた。NHK中国語講座が、「あまり気にせず、とにかく一緒に発音しましょう」と言うので信じるしかない。13億の中国人民、世界人口の1/5が使う主要言語だ。日本人にも話者は多い。信じて地味に進むしかなさそうだ。

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20200405 緊急事態宣言を待たずとも

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 緊急事態宣言を待たずとも、この状況で花見宴会はあまりにも非常識である。しかし残念なことに、そして信じがたいことに、私は勇気を持って何度も止めたにも関わらず、バイト先の会社では、今日花見の宴会が催される。感染予防に関するしかつめらしい回覧文書を作成し、読んだ者に押印までさせておきながら、自分たちは桜の名所に陣取ってバーベキューをするのだ。ルールは俺たちが作る、守るのはお前らだ、と言いたげである。

 それを止めようとする者は、残念ながら他に誰もいない。日本の社会人のほとんどは会社員であろうから、先刻ご承知と思う。私が会社員であったのは大学卒業後のほんの3年間だけだったので、組織の中で生きるという経験がない。これは好き勝手に生きてきた者の世間知らずな戯言である。

 ほとんどの場合、カイシャというものはオトコが牛耳っており、従ってボスザル社会である。うちのような小さな会社でも内部にいくつかの派閥があって、それらが小競り合いしつつ、全体のピラミッドが成り立っている。組織の中での個人の評価というものは、その属する派閥の力学に大きく左右され、その上下関係の良好な転換によって上昇し、そうでない場合に失脚する。

 その派閥の重要な催しを成功させることは、自分の地位を高めることにつながる。だから、仮に明日の自分の命や大切な筈の家族が危険にさらされることがあっても、自分自身が自分の持ち場にウィルスを持ち込む危険性を認識しているにも関わらず、その場を離れることができない。逆に上首尾に切り抜けることで、より高い地位に控える可能性が手に入る。そのようにして人生は設計され、上昇を前提に家庭は築かれる。最も忌避されるのは、自分が「興醒めな男」と評価されることだ。せっかくの楽しい宴会を中止しようなどと言う勇気のある奴はいない。それどころか、そんなことを言う奴を排除する。ここをクビになったら生きる術がないので食い下がることはしなかったが、返す返すも残念である。

 これが日本という社会であり、日本人が群れて作る会社であり、日本人のいう「和の精神」である。だから不要不急の外出を控えよと言っても徹底されない。個人主義者である筈の識者が個人の自由を制限せよと、いくら訴えても踏み切れない。その切っ先の鈍さの積み重ねが緊急事態宣言を今日まで遅らせた。私は紛れもなく日本国籍を持つ日本人であり、日本社会の一員であり、日本という国を愛しているが、このような総体としてのニホンジンは心から嫌いだ。


 上のチラシ、特定の個人や団体を批判する意図はないし、よく知った仲なので、無駄な感情の行き違いを避けたいから修正したのだが、結局、自由人の集まりである筈の彼らでさえ、義理が通れば道理が引っ込む、言葉は通じない、という点では同じと言わざるを得ない。このようなときに、このようなかたちで露見するとは、全く残念である。

 どうしてもやる、という人を思いとどまらせようと努力された形跡はある。しかし、親しい友人が、手を替え品を替え説得に努めても、頑として態度を変えない人もある。互いの理解が異なる場合、それをひとつひとつ説明しなければならない。一瞬でわかりあえる場合と違って、言葉を、その意味する範囲を確かめながら慎重に選ぶ必要がある。

 意味を厳密に定義しようとすればするほど、使われる言葉は難解になりやすい。「感染爆発」を「オーバー・シュート」と言い、「都市封鎖」を「ロック・ダウン」と言う。その言葉遣いに反発を覚える人も多い。「横文字を使うな」と・・・だがね、あんたの歌ってる歌もほとんど横文字じゃないか・・・でもそんなこと言ったらますます彼を追い詰めることになる。

 だからといって、平易な言葉に言い換えると、バカにされたと思って余計に態度を硬化させてしまう。同じ言葉でも互いのイメージするものが違えば、そこに曖昧さが生まれ、難解さを回避するために平明な言葉を使えば、意味の差異が生じる。「わけわからん」と言い捨てて勝手にふるまう。しかし「勝手と自由は違う」と言いかけた理屈を飲み込む。

 音楽の精神は基本的に反骨であることは理解する。周囲が自粛する中で、その同調圧力に屈して自粛したとみなされることは、反骨の精神に背く。そこに重きを置いている人に、今は自粛するのが妥当だから自粛するのだと理解してもらうこと、自分の表現の自由が、誰かに危害を与えることになるかもしれないと理解してもらうことは難しい。それには、自分がすでに感染しているかもしれないと仮定して、その立場に立って考える、すなわち自分からの直接的発信でなく、一段別の位置から考えることが要求されるからだ。

 それほど彼らの不安は強い。感受性が強いから尚更だ。すがるものはなにもない。自分がコブシを振り上げるしかない。おろしてしまうと自分が壊れそうになるのを、最も恐れている。そのことを理解する必要がある。しかし残念ながらその陰で、彼らの思わぬ事態が、情け容赦なく進行する。それを彼らにわからせる方法が、今のところ、ない。


 結局のところ、日本国という運命共同体は世界に一つしかない。そこに乗り合わせてしまった我々は、相反する考えを持った人々の総体がぼんやりと指し示す方向に向かって、ずるずると流されて行かざるを得ない。力つきるまでそれに抗い続け、少しでを舳先を上に向けることを目指すしかない。

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