Istanbul最初の宿は、Sultanahmetの「Cem Sultan Hotel」といい、海の見えるスウィート・ルームからドミトリーまである全対応型のツーリスティックなホテルである。スウィート・ルームは最上階であるが、ドミトリーは地下である。昨日の夕刻の到着であったので、暗くなってからのホテル捜しを避ける為にLisboaからネットで予約した。ドミトリー部分は、いかにもカネのなさそうな白人バック・パッカーで満室・・・いや、満床であったが、結構和気藹々としていて雰囲気は良かった。ロッカーもあるにはあったが、小さすぎて貴重品入れにしかならず、荷物は枕元に並べて寝た。
朝食は最上階のビュッフェで、これは宿泊料金に含まれる。今回の旅行では、Rio de Janeiro・Salvador・Johannesburg・Cairo・Istanbulで泊まったホテルが、このようなB&Bであった。こういうのは観光してるって実感が湧いて楽しいね。写真は、朝食のあるレストランからのMarmara海の眺めである。朝霧に舟が見え隠れしているところに旅情をそそられる。下のような朝食ビュッフェつきで€14 (観光地では現地通貨YTLのほかに€,£,$も通用する)・・・安い !! ちなみに1 YTL ≒ \63.45。観光産業に力を入れている国は、旅のしやすさが全く違う。このように私が格安の金額で着いたその日に安眠できるのも、トルコの観光産業のおかげであり、トルコの観光産業がこのように充実しているのは、上階のスウィート・ルームに宿泊しているお客様のお陰であって、カネは天下の回りものとはよう言うたもので、昨夜はケチったけれども、今日のうちに私はエーゲ海のリゾートへと旅立つのである。長旅はメリハリが肝腎や。
その朝食である。もちろんビュッフェであるから何をどう取っても良い。ポルトガルではエスプレッソが旨かったが、トルコではパンが決定的に旨い。塩っ辛いフランス・パンなんて足許にも及ばんね。生地はフランス風で、クラストはカリッとしているのだが、中はしっとりと繊細な甘みがある。道端でおっさんが売っている安いパンも同じであるので、トルコ人のパンに対する考え方のレベルが高いのであろう。トルコはパンが旨い。コーヒーは、レギュラー・コーヒーなのだが極細挽きで、粉末を直接カップに入れ熱湯を注いで、粉が沈んでから上澄みを飲む。飲み終わったら、ソーサーで蓋をしてさっと裏返し、ソーサーに写ったコーヒーの出がらしの模様で占をするのである。
さて本日は11時に美女とご対面なので、それまで付近を散策する。なんとも和やかすぎる風景である。苦節の旅の最後を飾るにふさわしい。観光案内所を訊ねると、誠に親切にいろいろ教えてくれる。トルコへ来た最大の目的は、美女のねーちゃん・・・いやいや、それももちろんだが、Istanbulといえばシンバルである。ドラマーたるもの、トルコへ来てシンバルを買わずに帰らりょうか。現地生産の手作りシンバルを何枚か仕込んで帰るのが最大の目的である・・・いや、美女の次に大切な目的ですよ。
Akbilという、プラスチック製の小型のかわいいキーホルダーのようなプリペイド式のチケットを買ってチャージし、メトロでSirkeciまで行く。といってもぶらぶら歩いて行ける距離。ここは鉄道駅の終点であり、Istanbulの象徴的存在であるGarata橋の近く。ここで美女と待ち合わせである。早く着きすぎた。もう気もそぞろ、胸はどきどき、口から心臓が飛び出そうなほどであった。というのも、美女が多い、というか、美女しかいないのだ。そのなかでも国を代表するキャビン・アテンダントであり、前の岡田外相の外遊時にアテンドを担当したというほどの逸材である。どんな美女が私の腕の・・・いやいや、早まるな、まだ食事もしていないのに、そないなことは段階を踏んで・・・待ってる間、金閣湾に浮かぶ連絡船や、それに群がるウミネコ、広場にたむろしたり、ボード・ゲームに興じるハンチングの似合うおっさん達・・・そんなことはどうでもええ。はよ・・・はよう・・・
「遅れてごめんなさい」といって走り寄って来たのは、もう、我と我が目を疑うような美女であった。もったいないのと恨みを買いそうなので見したれへん。早速橋を渡って新市街へ、渡り切った地下にある世界一短くて世界で二番目に古い地下鉄・・・というか、地下ケーブル・カー「Tünnel」に乗ってGarata塔の下へ、もう、なんというか、日本ではあり得ない絶世の美女と二人で街を歩く楽しさ、もうそれだけで塔の上から身を投げて・・・いやいや、彼女を悲しませるわけにはいかん。で、そのまま彼女のお気に入りのスカイ・レストランでお食事 !! もうね、あのね、これを今生の幸せと言わずしてなんとしましょうや ?? 絶対写真見したれへん。会話も弾む。実はCairoからのフライトで、トルコ航空の機内誌で4月のIstanbulのイベント情報が載ってて、それになんとJordi Savallのコンサートの記事があったという話をすると、「じゃあチケット買いに行きましょう」とやすやすと言う。あ、書き忘れましたが、彼女は金沢で2年間留学していた事があり、日本語が堪能なのです。絶景のランチを美女と堪能した後、繁華街の書店でそのチケットを購入。その足で、これから赴くエーゲ海へのバスの旅のチケットを購入しにバス会社の事務所まで向かったのでした。幸せいっぱい・・・
トルコは旅のしやすい国である。長距離バスを利用すると、その事務所からバス・ターミナルまで無料送迎の小型バスがある。それに乗ってターミナルヘ行くのである。このターミナルが、活気溢れる大衆的ショッピング・センターの様相を呈していて実に面白い。バスに乗る。
IstanbulからÇanakkale方面 (ヨーロッパ側) へ向かう車窓風景。美しい緑の丘陵が延々と続く。
海はMarmara海、Çanakkale海峡、または英語でDardanelles海峡といって、対岸はアジア側である。時折現れる街が美しい。
バスの旅はサービス・エリア観察が楽しい。
暗くなってからEceabatの港に着く。Çanakkaleへは、ここから連絡船で海峡を渡る。彼女の故郷はそこからさらに南下して地中海に面するAntalyaである。情熱的な美貌は土地のものだと言う。さて、船着き場のレストランで夕食にする。トルコもビュッフェ形式の食堂が多く、旅人には有り難い。ここから目的地のGelibolu (Gallipoli)へはタクシーで30分ほど。エーゲ海を臨む村のリゾート・ホテルに着いたのは夜だった。