愛用の自転車「Neige」ちゃんのタイヤを交換する。
車輪を外すついでにハブのグリス交換とベアリングのアタリ調整。この調整ひとつで走る軽さが全く変わってくる。
自転車の車輪は、ハブ側がカップ形式になっていて、その中に入るボールをシャフトにねじ込まれたコーンで押すかたちになっている。
ねじ込み過ぎると動きが硬くなって走りづらく、部品の摩耗が早くなる。逆に緩過ぎるとガタが出て走行が不安定になり、これも部品が摩耗する。動きが軽くガタもない定位置で固定されていることが理想である。
決めた位置を維持するために、ダブル・ナットという仕組みを使う。これは、ナットを二枚重ねて締め合わせると、その位置で固定できることを利用したもので、ベアリングを押すコーンをもう一枚のナットで締め合わせる。しかしネジというものは、谷と山の間にわずかな隙間があるから回すことができるのであって、コーンを絶妙の位置で止め得たとしても、押さえナットをねじ込んだときに、ごくわずかに緩む。またその最後の瞬間にシャフトも締まって動くから、絶妙の位置からわずかにずれるのである。この調整は極めて微妙であるが、しかしここをぞんざいにやると走行のための体力を無駄に消耗し、自転車そのものの寿命を縮めてしまうので、体力も経済力も貧困な私にとっては看過できないところである。ダブル・ナットを締めている裏側にシャフトが釣られて回ることを防ぐためにもう一本のスパナを噛ませておく。そしてベアリングのアタリを取ったら、ごくわずかにコーンを締めておいて押さえナットを締めこむ。最後の瞬間にちょっと緩んでちょうどよくなる。まあアノときと同じ感覚ですな。何度か試行錯誤が必要だが、必ずベスト・ポジションを探し当てることができる。せっかくバラしたのだからボトム・ブラケットまで行こうかと思ったが、急に冷え込んできたのと、ここは去年駆動系を更新したときに全部交換してるからグリスの補充だけで置いとくことにした。
・・・ああ、そうそう、タイヤ交換ね、これは別に特段難しくはない。空気を抜いてタイヤを浮かせて、先にチューブを抜いてからタイヤを外す。装着は、あらかじめチューブにわずかに空気を入れておき、先にタイヤをリムの片側をはめてからチューブをタイヤに入れる。先に空気を少し入れたのは、このときにチューブがねじれやすいので、それを防ぐためである。チューブが収まったら、必ずタイヤがチューブを噛んでいないかよく確かめる。タイヤ交換するときは、タイヤとチューブと、リムに巻くテープも合わせて交換するのだが、高圧タイヤの場合、ニップルによるチューブの破断が怖いので、このような厚手のリムテープを使う。色も明るいので、薄手の黒ゴムのリムテープより、チューブの位置を確認しやすい。タイヤが全部ハマったら少し空気を入れて、捻れや噛み込みのないことをよく確認してから定圧まで空気を入れる。
あとはひたすら汚れたボディを磨き上げ、塗装の剥がれを補修する。