2020年09月17日

20200917 畑が乗っ取られた

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ついに・・・借りている畑が乗っ取られてしまった。化成肥料を山積みし、草を殺し、土だけを露出させて植え付けが始まった。

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私が悔しいのは、私のこの農地の賃貸契約が無視されたからでも、乗っ取った人物の社会通念を疑うからでもない。そんなことはどうでも良い。13年間も無肥料・無農薬を通し、土そのものの持つ生命の循環が蘇り、その恵みとして私に幾ばくかの作物を与えてくれるようになった、この小さな自然環境が破壊されてしまったことが、くやしいのだ。こんなことをして、いったいなにになるというのだろう・・・

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2020年09月11日

20200911 神丹穂アルビーノ出穂

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赤米「神丹穂」のアルビーノも穂が出た。この小さな畑もたらいまわしの対象となった。この畑は、前任者からゴミだらけの状態で返されたものを、私が掃除してここまで使えるように戻したのである。その向こうに見える立木は、また例の立木問題で人殺し呼ばわりまでされた田んぼである。結局、これらの農地は、そのままでは使えなかったものを、私が自分で使わせてもらえると期待したがために、苦労して使える状態に戻したのである。戻した途端に取り上げられる。このような目に何度遭わされてきただろうか。自分が地主でない以上、農地を借りて百姓をする限りは致し方のないこととは言え、あまりにも無体なことではないだろうか。「お前らの好きにさせるくらいやったら草ぼうぼうになった方がマシや」結局、土地持ちの本音は、またしてもそうであったと言わざるを得ない。とりあえず、冬越し野菜の大根・白菜・玉ねぎ・ニンニク・ソラマメ・エンドウのために、たらい回しでここを使うことになった人になんとかお願いして、半分だけ場所を確保した。
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2020年09月10日

20200910 決断

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 来シーズンに向けてそろそろ準備を始めたいのだが、状況は一向に好転しない。そもそもの原因は「水」である。百姓は、今も昔も「水」で揉める。もともと、家主の家は大庄屋で (あったらしく) 、私が借りている屋敷周辺のほとんどの農地を所有していた (らしい) 。それが農地改革や宗教の関連でかなり手放すことになって、今では数反を残すのみになっている。

 今回のトラブルの発端は、写真の農地である。右手の田んぼの方がわずかに高くなっているが、もともとこれは左の農地を含めた一枚の田んぼであって、何十年も前に何らかの事情で半分だけ切り売りされたものである。その後の運用の加減で、自然に高低差がついてしまったものと思われる。左手の農地は家主が使用し、右手の農地は隣家が所有しつつも、一昨年までは農協に作業を委託、去年からは近在の篤農家が使うことになった。ところが、この農家は畔の始末が不十分で水が周囲に漏れ、わずかな高低差が原因で、左手の田んぼの脇で作られていた畑が水浸しになってしまったのである。咋シーズンから畑の作物が全て根腐れするようになった。

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 さて本来ならば、その篤農家と話し合って畔の水管理をきちんとしてもらい、周囲への水漏れを防ぐべきである。ところが現実はそうはならない。水漏れ問題は放置して、水浸しになった畑の代替地を、地主の持っている他の農地に移すことによって、問題を回避したのである。その結果、家主が貸している農地をたらい回しにして、複数の借り手を巻き込んだ挙句、結局私の来シーズン使える農地が確定しないのである。おまけに私のメインで使ってきた農地は、村からの自粛要請に従って草刈りしかできない状態であるにもかかわらず、いつの間にか畑に整地されていた。法律上は、これらのたらい回しとメインの農地は、私が利用権を設定し、農地台帳に正式に記載されているものである。ムラ社会にはもはや法律さえも有効でない。

 なぜこうなるのか。結局のところ、村の顔役である篤農家と地主との力関係、その篤農家なくしては村の農業が成り立たない実態、そして土地に関する地主の執念などが、ちんぷんかんぷんに入り乱れてしまって、もはや法理論などが入り込む余地がない。しかし日本は法治国家であるから、トラブルが起これば、行政が追求してくるのは法的な利用権の設定者、つまり私、ということになる。ムラ社会には暗黙の序列がある。それは往々にして合理主義を退ける。義理が通れば道理が引っ込むのである。そしてその序列に従って、一部は不承不承でありながらも、一同の「腑に落ちる」落としどころが謀られた結果、村の「和」が保たれる。

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 さて、私は決断をした。もはや、このようなゴタゴタに巻き込まれて無駄なエネルギーを浪費することには耐えられない。農地法上の契約期間すなわちあと2年ちょいを表向き勤め終えたら、ここを出る。もうだめだ。

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20200910 絹道遺産

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 写真家の三田崇博さんとは、2017年の「Uyghur-Pamir 東トルキスタンイスラム共和国連帯の旅」の往路、ウルムチ国際空港を突破しようとして知り合った仲である。氏はその後、密命を帯びてイーニンを経てカザフスタンへ抜け、私はタクラマカン砂漠の中心にあって今なお伝統的な生活を守るケリヤ人に接触すべくホータンへ飛んだ。その後の顛末は下記リンクにある通りである。


 今から考えてみれば、その旅はもしかしたら今までの全ての旅よりも、すなわち1991年のザイール奥地への旅よりも、2010年の世界一周旅行でのブラジルやコンゴ赤道州の旅よりも、はるかに危険なものだったのかもしれないと思い返している。というのは、2017年は、チベットを恐怖に陥れた、あの悪名高い陳全国行政長官が新疆ウイグル自治区に赴任して間もない頃だったからである。ケリヤのバス・ターミナルで降りた直後、いきなり武装警察に取り囲まれて連行された時の、ウイグル人警官たちのうろたえぶり、その後ずっと尾行され続けたこと、些細な接触をも避けようとする現地ウイグル人たちの素振り・・・今から思えば、そのいずれかのタイミングで拘束されていても何ら不思議ではなかったはずだ。それがなんの殺気もなく、危険な予兆もなく、つまり彼らウイグル人でさえ意味も分からずに命令されて動いていただけに、全く予期せぬ平穏の中で行われていた。それが最も恐ろしいことだ。敵意を持って近づいてくるものを避けることはできる。しかし、それがない場合は予見できない。あの旅のあらゆる場面を思い出すたびに、よく生きて戻れたと胸を撫で下ろす。

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 というわけで久しぶりに大阪へ出てみると、まあなんと人のおらんこと。道頓堀が、宗右衛門町が、相合橋が・・・今日の探索は中国東北料理。美味くも不味くもなかったが、味が濃くて量が多い・・・しかし諸外国を旅していて思うことは、現地の庶民の味って、こんなんよね・・・エグくて濃くて量が多い。店は、日本人が入ってくるとは全く予期していなかったみたいで、近隣中国人のたまり場感満々だったが、若いのがカタコトのニホンゴで親切に勧めてくれたんで楽しめた。ひとりひとりの中国人と、中国政府のやってることの、この極めて大きな齟齬が、まさに中国を体現している感。

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2020年09月06日

2020年09月05日

20200904 「コテツ♀」

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 「コテツ♀」・・・5匹のうち唯一のメスであった。ハチワレの白い部分が最も小さく、鼻も黒かった。離乳期までは兄弟たちと暴れていたが、やがてオス猫のテンポについて行けずに取り残されることもあり、そんな時には私に甘えてくることもあった。しかし警戒心が強く、私に近づかないこともあった。たぶん「セジロ」が譲渡された直後に行方不明となり、約一週間後に中庭の排水管の中で死んでいるのが見つかった。その排水管はごく短くて、二度曲折があって外とつながっており、子猫の格好の隠れ場所であり遊び道具だった。しかし成長と共に通れなくなっていたはずである。なぜそこに入ったのか、なぜそこから出られなかったのか、なぜ助けを求めなかったのか、謎である。発見に至ったきっかけは臭いだった。当初は糞尿の匂いかと思い、トイレの土を交換し、中庭を清掃した。しかし収まらず、中庭に置いてあるものを動かして探しても見つからなかった。残るは排水管しかなかったので、ホースの水を強く当てると、激しく腐乱し、骨も露わになって内臓も出た、見るも無残な状態で流れ出てきた。かわいそうでしかたがなかった。たとえそんなところに入ったとしても、数日は生き延びるはずである。生きていれば声もするはずである。中庭の、毎日のようにその上を通る場所で、その声が聞こえないということは考えにくい。つまり、そこへ入って動けなくなって程なく絶命したものと思われる。何かに襲われてそこへ逃げ込んだか、逃げ込んで曲折を通り抜けられずに襲われたか、私は毎日17時間程度はここで過ごしているので、たまたま私がいなかった7時間以内にそこへ逃げ込んで絶命したものと思われる。苦しかったかもしれぬ、痛かったかもしれぬ、あのつぶらな目を思い出すたびに、かわいそうでならなくなる。

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 最後の写真は、おそらく彼女がいなくなる直前のものと思われる。左上に映り込んだ横顔である。

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20200904 「セジロ♂」

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 「セジロ♂」・・・ハチワレで背中に白い毛の塊があるのでこの名にした。略して「セジ」と呼んでいた。5匹の子猫の中で最も美形である。鼻と口周りの肌色が美しく、ハチワレの柄も調和が取れていて、髭や眉毛が白いのも良い。見事な造作である。授乳期の成長は最も早かったが、乳離しはじめてから、大きさでは他の猫に遅れをとった。しかし性格は活発で狩にもよく出かけ、獲物を咥えて戻ることも多かった。強気であまり私には懐かなかった。「ハナクソ」と同じ農家に引き取られていった。活発なもの同士、元気に狩に勤しんでくれることを期待する。

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20200904 「ハナクソ♂」

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 「ハナクソ♂」・・・ハチワレで鼻の片方だけが黒いのでこの名にしたが、略して「ハナ」と呼んでいた。最初に里親候補が現れた。三田市広野の大きな農家で、飼い猫というより害獣対策用の狩猟猫である。ここで学んだことが生かせる職場であって、本来の力を発揮するであろう。もともと独立心が強く、あまり私にも懐かず、狩に出たまま数日帰ってこないことも多かった。体も大きく、触ると筋肉に力が漲っていた。譲渡直前には、他の猫よりも乳を吸う時間も少なくなっていた。最初の譲渡だったので、一度目は失敗し、一週間ほど様子を見て、落ち着いている時に捕獲すると、意外に暴れなかった。

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20200904 「ツキノワ♂」

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 「ツキノワ♂」・・・全体に黒いが、首の周りだけ白い毛がある。ヤンチャな目をしているのが特徴で、幼い頃は、きょうだいたちが遊びまわっていても、一匹だけ離れて空を眺めているようなところがあった。妙に私と気が合って、こいつだけが私の膝に乗ってくる。ロマンチックなところと無鉄砲なところが同居していて、空を眺めているくせに、獲物を見つけたら先頭を切っている。あるとき隣の農園の檻に捕まって泣き喚いていたのを救出したが、たぶんそのとき暴れたのか、顔面にかなりの傷を負った。彼一匹は母猫のもとに残して、自然な巣立ちを観察することにした。

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20200904 「まっくろ♂」

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 「まっくろ♂」・・・全身真っ黒なのでこの名にした。5匹のうち最も痩せっぽちでおとなしい。近所の農家に引き取られたが、害獣駆除用ではなく、室内愛玩用である。引き渡したその日のうちに去勢やワクチン摂取を施されたようである。本来は、「コテツ♀」と一緒に譲渡されるはずだったが、「コテツ」が虚しくなってしまったので単独で引き取られた。ほっそりとして立ち姿に気品がある。足の運びが子猫として愛嬌がある。私にも比較的よく懐いていて、膝にも乗ってくるし、抱き上げても抵抗しない。性格は控えめで、餌の取り合いには負けてしまうことが多い。

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20200904 しゃのあ一家

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 私は猫が大好きだ。しかし、今回「しゃのあ」と関わってみて、意外に猫嫌いの人が多いことに気がついた。「しゃのあ」は昨年10月の中頃迷い込んできた雌猫である。ガリガリに痩せて行き倒れ同然だったのを助けた。猫は実家で子供の頃からよく飼っていたので、私なりに接し方は心得ているつもりだった。当然、当初は威嚇されたが、そばに水を置き、離れた場所に寝床をしつらえ、寒さを防ぎ、やがて牛乳を置き、流動食を置き、決してこちらからは近づかず距離を保って淡々と掃除などしているうちに、一ヶ月後には一緒に座って時を過ごすようになった。

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 しかし、頭を撫でさせてくれるまでにはさらに一ヶ月近くかかった。気位の高い猫である。私はメンクイなので、美しい猫しか相手にしない。なかでもメスの黒猫はベストだ。ここに住んで13年、下品な野良猫しか見なかったので、彼女は初めての受け入れ可能な猫だった。目つきが野良擦れしておらず、前足を真っ直ぐ揃えて座り、長い尻尾を前足に添える様子は、猫の美貌の最たるもんだ。大きさからして、おそらくその年の春に生まれたのだろう。健康を取り戻したと判断した時点で、救命的な餌やりを徐々に減らして、最終的には止めた。冬の間は、一対一の和やかな時間が続いた。

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 しかし春先になって彼女の妊娠がわかると、見ていてはっきりわかるほど体調を崩した。再び手を差し伸べ、順調に腹が大きくなる頃には、近隣の数軒から餌がもらえるほど、人気の地域猫になっていた。4月の下旬に、近隣の、使われていない倉庫で出産したようである。その後、私の知る限り数回居場所を変え、5月には私の借りている家の納屋の二階に引っ越してきた。子猫は5匹いた。そこは、毎年何らかの動物が、必ずと言って良いほど子育てをするのだが、家主がそれを嫌って子供を処分してしまうのである。もちろん、自ら手を下して殺すと違法になるので、親のいない間に子供を箱に閉じ込めて別の場所に移し、親が見つけられずに子供が死んでしまってから、保健所に連絡するのである。同じことをが繰り返されるのは耐えられなかったので、私は秘密裏に彼らを中庭の隅に移した。彼女はそこで子育てをし、4ヶ月経った頃には立派な野良猫に育った。そして、このほどあいついで里親が見つかり、3匹がめでたく引き取られていった。紅一点だったメスは、同じ頃、虚しく発見された。私と最も仲の良いオスの一匹は手元に残して、自ら巣立つ様子を観察するつもりだ。

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 さて彼らのような野良猫の置かれた状況は厳しい。日本では、私のような行為は迷惑行為と受け止められている。なぜなら、野良猫が繁殖すると、生まれた子供がペットとして飼われ、一定数が無責任に捨てられるなどして、そのほとんどが殺処分されていくからである。その数は増えている。私の行為は、その循環に手を貸したことになる。一方、農村では、猫はネズミ・モグラ を退治し、縄張り関係から同じ種族であるイタチを遠ざけ、特有の匂いからヌートリアやアライグマも離れる一方、肉食なので農作物には目もくれないことから珍重される。実際、彼女がうちへ来てから、根菜の獣害・屋根裏のネズミ・畔の穴は劇的に減った。ヘビも捕獲するので、人がマムシに噛まれる被害をも未然に防いでくれている。これは絶大な効果である。しかし、行政というものは農村とそれ以外を区別するわけではない。

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 日本においては、野良猫を捕獲したら必ず避妊去勢し、繁殖を防ぐことになっている。野良猫を保護したら、行政に連絡するか、自らが責任を持って「飼う」ことが義務付けられている。「飼う」とは、要するに外界から完全に遮断して繁殖や逃亡の可能性を殲滅することである。そして、一生を屋内の閉ざされた空間で安楽に全うさせることである。これが日本における、人間社会と猫との正しい関わり方であり、これが正義である。

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 しかし、私は彼女の神聖な肉体の最も大切な部分を切除することが正義だとは、どうしても思えない。彼女は病気でも障害猫でもない。彼女の子育てを見ていて、私は本当に恐れ入った。誰に教わったわけでもなく、初めてのお産を問題なくやり遂げ、子供達の安全を第一に行動し、自らは毛が変色して痩せ衰えても、獲物をまずは子供達のところへ運ぶその姿を毎日見ていて、本当に恐れ入った。自分と一回りしか変わらないほど大きく成長した彼ら5匹にのしかかられても、彼ら一匹一匹を優しく舐めてやりながら授乳し続ける姿を見て本当に恐れ入った。まずは子供達にも食べられるカエルやセミを捕獲しては食べてみせ、食べ方を教え、やがて子供達を引き連れて実地に狩を教えている姿は、対立する近隣農家同士にも一時的な休戦をもたらしたほどだ。

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 生きることに必死なのだ。その姿に、私は大いに恐れ入り、大変多くを学ばせてもらった。最近では、母猫は子猫をよく叱る。唸り声をあげ、軽く噛んでは舐めてやり、何度もそれを繰り返す。叱られた子供はじっと平伏している。昨日は、ついに母親が一匹残された息子を威嚇するようにさえなった。雄猫なので、遠くへ行ってもらわなければ、近親相姦が起こるのである。自然の摂理とは、全く不思議なものである。そして、誰に教えられたわけでもないのに、それに従っている彼らもまた、全く不思議なものである。その不思議を目の当たりにするという経験を与えてくれたのは、彼女が妊娠したからである。彼女が妊娠したのは、近所の雄猫が去勢されていなかったからである。これが自然な姿であり、人間もその中で生きているからこそ、共に生きる有様を目の当たりにできたのである。自然の摂理と生の事実を体験できたのは、彼らが自然だったからである。

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 しかし人間社会はそれを許さない。その猫が「飼われて」いるのかいないのかを区別し、責任の所在を明確にし、野良猫は捕獲されて一定期間保護された後、ガス室に送られる。飼い猫は避妊去勢を施され、完全に室内で生涯を終えることが義務付けられる。そのようにして野良猫全体の数をコントロールしていくことが、生態系のバランスにとってより重要視されるのである。なぜなら野良猫は、農家にとって都合の悪い動物だけでなく、捕獲しうる動物を無差別に屠るからである。そのなかには絶滅危惧種も含まれる。日本全体の政策を考える場合、この方針はやむを得ない。

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 彼らは人間に見つかるとアソコを切り取られてしまうのだ。病気でもなく障害もなく、何も悪いことをしていないのに、人間の都合で、自分の生命の大切な部分を、切り取られてしまうのである。私は彼女を人に慣れさせてしまったがために、悪意ある人間に対する彼女の警戒心を弱めてしまったかもしれない。村には当然、猫嫌いの農家も多くある。彼らは往往にして、自分の田畑に罠を仕掛けて猫を捕獲しては通報する。それが使命だと思っている。ましてや、彼女が私のところを本拠としていることが広まりつつある今、村の中での私の立場は、そのまま彼女の身の危険に直結する。これを解決する有効な手段は、残念ながら存在しない。なぜなら、私は猫が好きだが、猫の嫌いな人は、あくまでも嫌いだからである。

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 やむをえず私は法を犯す。法は彼女を引き渡せと私に要求するが、私は断固拒否する。彼女はまた出産するだろう。しかし次回は、今の息子が巣離れしたら、どんなことがあっても餌やりはしないつもりだ。しかし彼女を排除したり、生まれた子供に干渉したりもしない。もともと、ここに行き倒れ同然で迷い込んできて居ついただけだ。軒下で子供を産んで育てようが邪魔だてはしない。攻撃もしないし保護もしない。一切の手出しをしないことにした。同居する分には何も障害はない。

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 ただし周囲が黙っていればの話だ。農村は残念ながら人間社会である。というか、人間どもは、ここら辺りを人間の社会だと思い込んでいる。だから、そこに紛れ込んで生きていけるかどうかは、運にかかっている。もともと野生では5匹産んで1匹生き残れるかという世界だ。それよりはマシかもしれぬ。無責任と言われようが、私にはそうするより他にどうしようもないのだ。許せ、俺はお前を傷つけたくはない。お前がいてくれることに、心から感謝している。

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2020年08月31日

20200830 カリーナちゃんようやく退院

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 カリーナちゃんようやく退院。しっかしラジエーター交換作業に一ヶ月半とは、なんぼこの車が古くて部品調達にてこずったとは言っても、それを織り込んで見積もり出してるわけやから、ちょっとかかりすぎやな。このぶんだと車検整備に出したら期限切れてから上がってくんのとちゃうか・・・オーバー・ヒートしたのにオイルも換えてくれてないから、三田のアマリー・オイル代理店へ早速持ち込んで作業してもろた。・・・もう次はないな。

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 しかし良い経験にもなった。1ヶ月半もクルマなしで生活してみて、意外に行けるもんやなと・・・。最寄駅へもバイト先へも自転車で5分、重い荷物大きい荷物は、担ぐなり縛るなりしてなんとかした。いざとなればリヤカーで人力運搬を覚悟。カリーナちゃんには愛着はあるが、毎年車検で税込経費がほぼ10万超、つまり毎月1万円近くただ飯食ってるわけで、月収7-8万のバイト風情が持つものてはない。それを一ヶ月半も入院させたのでは安くない授業料だったと言わざるを得ないが、得たものを大切にしよう。

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2020年08月30日

20200830 そして三匹が残った

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「寂しくなったねえ・・・」
「三匹だもんね」
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2020年08月28日

20200828 Pesto Genovese

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 今年のバジルは、わずか5本の栽培ゆえ、全て自家消費で販売分はありません。あしからずご了承ください。代わりにおおよそのレシピを掲載しておきます。バジル5株から良い歯を摘み取ると大体300gになるので、これを軽く拭いてゴミなどを除去し、塩30g・ニンニク一株だいたい6-9片・松の実150gを軽く炒ったもの・レモン果汁少々、エクストラヴァージンオリーブオイル1,000ccを用意しておいて、オイル以外を均等に混ぜて、ミキサーの大きさに応じて何等分かし、それぞれがようやく混ざって回転する程度にオイルを加えてペースト状にする。保存便を消毒して乾かしておき、ペーストを9割方入れたら、オイルで蓋をする感じで数ミリの層を作る。要冷蔵。食べる時にバルミジャーノレッジャアーノなどの硬いチーズを下ろしたものを混ぜ込むとさらにイッターアリァ !!

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2020年08月20日

20200817 赤山椒の収穫と加工

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 山椒は、乾かしてスパイスにするには、ちょっと青みの残る今が絶妙の香り。常識的には、10ー11月になって皮が割れてくる頃が良いとされているのだが、どうもそれでは香味に欠けるような気がして、私は赤くなりはじめるこの頃に収穫して、天日に干して、割れたらその皮だけを収穫して粉砕し、スパイスにする。早速、豆豉・赤唐辛子・塩・ごま油で即席の醤を作って炒め物に使ってみる。猛暑にシビレル。中の黒い種は、集めてガンザの実に使えば、振るほどに爽やかな香りが・・・するかな ??

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2020年08月17日

20200817 Tipo Iniete akufi



Tipo Iniete ・・・この曲の最初から高音の効いた力強い声を響かせてくれていた歌手。コンゴ民主共和国から苦難の旅路の末日本にたどり着き、20年近く・・・Karly Chockersのメンバーにとって、日常的にコンゴ人の声やリズムに直に触れ合う経験は初めてのことだった。言葉の壁もあったし、習慣や常識の違いもあったが、互いを理解し合おうとした。すべてが叶わなかったとは言え、彼らと共に活動した数年間は、確実に我々のかけがえのない経験となった。合わない気候風土、日本人のものの考え方感じ方、他にも、キリがないほどの違和感の中で辛い生活に耐えたことだろう。しかし幸せな家庭を築いたときいていたことは、せめてもの慰めだった。どうか、やすらかに、歌え・・・

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2020年08月16日

20200816 今井健夫初盆


すっかり忘れとった。

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2020年08月12日

20200812 周庭 (Agnes Chou) 氏逮捕

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呆れて言葉も出ない。「蘋果日報」創業者まで・・・写真は10年ほど前に芦屋でやっていた「六甲山カフェ」に取材で通りかかった「蘋果日報」の記者に撮ってもらったもの。リンクはその頃の記事。人が当然に生きていくだけのことが、いったい何ゆえに、こうも難しく困難なのか・・・
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2020年08月09日

20200809 宝性寺墓地除草

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お盆までにお墓の周りを綺麗にしといて欲しい・・・と、去年から畑の草刈りをさせてもらってる近所のお寺からの急なご依頼であった。「きれいに」がわからんので「きれいに」やってみた。「きれいに」なったのかな・・・オレ進む道まちがえたかな・・・帰りに進んだ道は溝の横、街道を斜めに横切ってなんかええ雰囲気の路地につながったが、その先は他所の家の玄関先であった。やっぱりまちがえた・・・ふりかえると溝の上に建物・・・ごく近所の束の間の冒険。
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